2009年04月20日

死語? 『むべ なるかな』




死語? 『むべ なるかな』





横浜は山手・・・イギリス館で見かけたこの花。
何度もここへ足を運んでいたのに、
この花の存在を初めて知りました。





フェンスに沿うようにつるが延び 
小さな白い花がたくさん咲いていました。
通りすぎると嫌味のない 柔らかで甘い香りがして
振り返るとそこにこの花がありました。


見たことがないので是非名前を知りたいと 
イギリス館のスタッフの方にお聞きしたところ
みなさんご存じなく・・・・
館長さんが調べてくださいました。

そして名前が・・・『ムベ』であることがわかりました^^



死語? 『むべ なるかな』



ムベ(郁子、野木瓜、学名:Stauntonia hexaphylla)は、
アケビ科ムベ属の常緑つる性木本植物。
別名、トキワアケビ(常磐通草)。
方言名はグベ(長崎県諫早地方)、
フユビ(島根県隠岐郡)、イノチナガ、コッコなど。


「宜(むべ)なるかな」


この最近はあまり使わなくなった言葉
ご存知でしょうか?そんな表現をしても
キョトンとした顔をされることが多いように思います。
実際Stacieも使いはしません。

この「宜なるかな」は、
「いかにももっともなことだ」、
「いかにもそのとおりだ」という意味を表します。
これを中国語で書けば「宜乎」と書き(古語のようですが)、
「なるほど」のような意味になります。

 では、何故この「宜」を「ぎ」とか「よろしき」のように読まずに
「むべ」と読むのか不思議に思えます。
この「むべ」は、植物の「ムベ」に由来があるのです。

 昔、天智天皇が近江八幡市の方へ行幸されたとき、
老夫婦に長寿の秘訣を尋ねたところ、
この地で秋に採れるこの果実を食するからだと答えたそうです。
それに対して天智天皇が「むべなるかな」と
云われたのが始まりとされています。
「ムベ」が先なのか、「むべなるかな」が先で「ムベ」になったのか、
私にはよく分かりませんが、
いずれにしても、植物の「ムベ」がこの故事に関係しているのは確かなようです。
この近江八幡市では、かなり最近まで、「ムベ」を皇室に献上していたようです。

 ムベは日本の山野に自生するアケビ科の蔓性植物で、
アケビに似た実ができます。もしかしたらこれは記憶にあり、
からすうりの仲間なのかも?なんて思っていました。
果実は鶏卵よりやや大きい形で、秋に熟すと暗紅紫色になます。
実を割ると緑色の果肉と種がキウイフルーツのようにあって、
口の中で種子をより分けながら果肉部分だけを食べるんだそうです。
強い味ではありませんがほのかな甘みがあり、なかなか美味だそうで、
興味がありますよね。

 アケビとの大きな違いは、アケビは果実が割れますが、
ムベは割れないこと、
そして常緑性であることです。
ですから、ムベのことを別名で
トキワアケビ(トキワは常磐と書き、常緑の意味)ともいいます。
漢字で書けば「郁子」と書きます。学名はStauntonia hexaphylla。
なんと女性のお名前のようですね^^


 ムベは園芸的には緑陰樹として棚仕立てなどに利用しますが、
鉢植えとしても流通しています。
日よけにしたりもできるので 
今で言う緑のカーテンにもなるのかもしれません。






ちょうど今頃から5月のはじめに咲くようなので
もしかしたらどこかでこの花にまた出会うことがあるかと思います。

そのときに是非 この記事を思い出し

『あ~これが Stacieの言っていた むべなるかな !』 なんて ・・・ね♪











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Posted by Stacie at 14:18│Comments(0)Flower
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